持ち帰った提案書を並べたら、医療もがんも収入保障も、右上のロゴが同じ。たくさんの会社を扱う窓口だと聞いて行ったのに、と引っかかっている人に向けて書きます。窓口で働く人を悪く言うための記事ではありません。
同じ会社ばかりでも、それだけで偏った提案だとは決められません。見るのは会社の数より、なぜその会社なのかという理由と、同じ条件で何社を比べたのかの2つです。
僕が同じ会社ばかりの案を見たのは2018年、契約していた保険会社の人に相談したときでした。相談窓口では、2019年に同じ条件の3社の見積もりを紙で並べてもらっています。複数の会社を扱う窓口で1社に寄った提案を受けた体験は、僕にはありません。
この記事では、同じ会社ばかりになる2つの形と、席で聞く3つのこと、僕が見た2種類の紙の違いを書きます。2か所で勧められた保険が違って迷っている人は、「保険相談のはしごは失礼?同じ証券で5か所回った僕の体験談」を先に読んでください。
保険相談で同じ会社ばかり勧められたときは、会社の名前より先に、すすめる理由を聞いてください。理由と数字が一緒に出てくるかどうかが、僕の見分け方です。
のろべえ|「みんなの保険見直し体験談」運営者。40歳・メーカーの総務で働く会社員。川崎市で妻と子ども2人と暮らしています。
- 2009年から保険を10年放置
- 夫婦の保険料は月43,600円
- 2019年に窓口を5か所回った
- 見直し後は月19,800円
- 2級FP技能士(2021年合格)
- 住宅ローンアドバイザー
仕事では社内の団体保険の取りまとめと年末調整を担当。証券を開いて、並べて、比べるところから書いています。プロフィールの続きを読む
保険相談で同じ会社ばかり勧められるのは、絞り込みの結果のことがある
同じ会社が続くのは、窓口が先に商品を絞ってから出しているためのことがあります。絞り方には大きく2つの形があると、生命保険協会のコラムに書かれています。確かめたのは2026年10月13日です。
窓口は比べてから絞っている
複数の会社を扱う乗合の代理店は、先に自分たちで商品を比べ、絞ってから客の前に出します。生命保険協会のコラムには、乗合は「選ぶ側(生命保険代理店)が商品を比べてから選ぶのが一般的」とあります。
つまり、机に出てくる紙は、その窓口が扱う全部の会社を並べた物とは限りません。先に比べて、絞ったあとの紙のことがあります。
1つ目の形は、客の希望に合わせて商品を絞る場合です。このときは、比べられる同じ種類の商品の概要と、その商品を選んだ理由を説明することが求められていると、コラムの続きに書かれています。
店の事情で会社を絞る形もある
2つ目の形は、代理店の事情で先に保険会社を絞り、その中から客に合う商品を選ぶ場合です。この形でも、絞った理由を説明することが求められています。
| 絞る理由の例 | 説明の例 |
|---|---|
| 資本関係 | A生命のグループ なのでA生命を案内 |
| 取扱実績 | 長く扱ってきた B生命をすすめる |
| 経営方針 | 社内の委員会で 決めた商品を案内 |
生命保険協会「生命保険募集人が生命保険を勧める基準は?(其の3)」の表を短くまとめました。2026年10月13日確認。元の言い回しは協会のページで確かめてください。
どちらの形を取るかは、代理店が決めます。同じ会社が続くことは、絞り込みの結果としてありうると、僕はこのコラムを読んで知りました。
すすめる理由の説明は指針にある
国の資料にも同じ向きの記述があります。金融庁の監督指針には、複数の会社を扱う代理店について、特定の商品をすすめるときは「当該提示・推奨理由を分かりやすく説明することとしているか」という確認の項目があります。
同じ指針には、「公平・中立」とだけ表示すると、保険会社と客のあいだで中立だと受け取られるおそれがある、という注意書きもあります。代理店は保険会社のために契約の代理や媒介をする立場だと、その項目に書かれています。
金融庁の2026年8月28日の発表によると、この指針は改正されていて、改正後のものは2028年3月1日から適用されます。ここに書いたのは2026年10月13日時点の記述です。
あなたの行った窓口がこの記述に合っているかどうかは、僕には判断できません。気になるときの聞き先は、最後の章に書きます。
相談にお金がかからない仕組みのほうは、保険相談はなぜ無料なのかに分けて書いています。
保険相談で同じ会社ばかり勧められるのは、窓口が先に絞った結果のことがあります。絞った理由は説明が求められているので、聞いてかまいません。
同じ会社ばかりで引っかかったとき、席で聞く3つのこと
聞くのは、理由、比べた数、ほかの会社の案の3つです。どれも一般的な進め方の提案で、僕が席で使った言葉ではありません。
なぜこの会社かを聞く
最初に聞くのは、「この会社をすすめる理由を、もう一度教えてください」です。問いつめる言い方にしなくて大丈夫です。
返ってくる答えが、保険料、保障の中身、申し込める条件のように、紙の上の数字や言葉で確かめられる物かどうかを見ます。
同じ条件で何社比べたか
次に聞くのは、「同じ条件で、何社を比べましたか」です。目の前の1社が、3社の中の1社なのか、10社の中の1社なのかで、受け取り方が変わります。
金額だけを横に置いても、保障の額や期間が違えば比べたことになりません。そろえる条件は、次の4つです。
- 保障の額
- 保障が続く期間
- 毎月の保険料
- 割引がきく条件
比べた会社の名前と数字を、紙で見せてもらえるかどうかも聞いてみてください。
この3つのほかに席で聞くことと、提案書で見る4つの欄は、保険相談で何を聞くかの質問リストにまとめています。
ほかの会社の案も頼む
3つ目は、「ほかの会社でも、同じ条件の見積もりを出してもらえますか」です。その窓口が取り扱っている会社の範囲でなら、頼める場合があります。
保険見直し本舗の公式サイトの方針には、同社がすすめる商品以外を希望する場合は、取り扱う商品の範囲内で比較できる商品を説明・提案する、と書かれています(2026年10月13日確認)。ほかの窓口の扱いは、それぞれの公式サイトか席で確かめてください。
| 聞くこと | 言い方の例 |
|---|---|
| 理由 | この会社の理由を もう一度教えて |
| 比べた数 | 同じ条件で 何社比べましたか |
| ほかの案 | ほかの会社でも 見積もりを |
保険相談で同じ会社ばかりだと感じたら、すすめる理由と、同じ条件で比べた会社の数を聞いてください。聞くことは、担当の人を疑うことと同じではありません。
同じ会社の3つと3社の見積もり、両方を見た僕の体験談
僕の場合、同じ会社ばかりの案を見たのは相談窓口ではなく、契約していた保険会社の人に相談したときでした。複数の会社を扱う窓口で1社に寄った体験ではないことを、先に断っておきます。
2018年、2009年に入った保険の後任の担当の人に、見直しを相談しました。出てきたのは同じ会社の別のプランが3つです。保険会社の人なので、その会社の案が出るのは当たり前のことでした。
持ち帰った資料は家で1回開きましたが、3つのどれにも決められませんでした。横に置いて比べる物を、僕が1つも持っていなかったからです。
| 2018年 | 保険会社の人に相談 同じ会社の案が3つ |
|---|---|
| 2019年 10月16日 | 相談窓口の1回目 金額はまだ出ない |
| 2019年 10月30日 | 相談窓口の2回目 3社の紙が並ぶ |
翌年の10月30日、保険見直し本舗の2回目の席に、同じ条件の見積もりが3社ぶん、印刷して置いてありました。条件は、亡くなったときに月10万円を65歳まで、です。保険会社の名前は出さずに書きます。
| 会社 | 月の保険料 | ちがい |
|---|---|---|
| D社 | 2,400円 | 健診の数値 で割引 |
| E社 | 2,900円 | 割引の条件 がゆるい |
| F社 | 3,300円 | 働けない時 の保障つき |
2018年の紙と大きく違ったのは、月10万円を65歳まで、という条件が3社とも同じだったことです。変わるのは会社の名前と保険料、それに割引の条件や付いている保障でした。僕が引き算すると、月2,400円と3,300円の差は900円です。
僕は月2,400円のD社を選んでいます。5か所目の喫茶店の相談で感じた、担当1人の意見に頼る不安は、この3社の紙の前では出ませんでした。
この3社がどういう基準で選ばれたのか、ほかに何社を比べたうえでの3社だったのかは、手元に記録が残っていません。だから前の章の2つ目の質問は、僕自身があの席で聞いておけばよかったと、いま思っていることです。
同じ会社の3つを前にした僕は選べず、同じ条件の3社を前にした僕は選べました。違いは会社の数より、比べる条件がそろっていたことです。
同じ会社ばかりでも、理由と数字が出れば合っていることがある
1社に寄った提案でも、それが合っていることはあります。僕が目安にしているのは、理由と数字が一緒に出てくるかどうかです。
寄った理由が客の側の希望や条件にあるなら、会社が1つでもおかしくありません。逆に、理由を聞いても紙で確かめられる答えが返ってこないときは、まだ決める日ではないと僕は考えています。
僕の見直しでも、担当の人から残す理由を聞いた2本は、どちらも元の会社のままです。25歳で入った医療保険は保険料が月3,900円のまま上がらないから。2009年の保険の終身の部分は、解約したときの戻りが約21万円で、残すほうが将来の保障が大きいから、という説明でした。
| 残した保険 | 聞いた理由 |
|---|---|
| 医療保険 月3,900円 | 保険料が 一生上がらない |
| 終身の部分 約70万円 | 解約の戻りは 約21万円 |
どちらも、ほかの会社に替える案ではなく、いまの会社に残す案でした。それでも納得できたのは、理由を数字で確かめられたからです。
見るのはロゴの数ではなく、理由が紙の上で確かめられるかどうかです。これは僕の見分け方で、公式の決まりではありません。
- 理由が数字で出ている
- 比べる条件がそろっている
- 比べた会社の数が分かる
別の会社への乗り換えの案が出ていて迷っている人は、保険相談で乗り換えを勧められたらの記事に、返事の前に確かめる4つの質問を書いています。
同じ会社ばかりの提案でも、理由を数字で確かめられるなら、僕は寄っていてもよいと考えています。理由を聞いて残した2本は、どちらも元の会社のままでした。
それでも決めきれないなら、同じ証券を別の窓口に見せる
理由を聞いても決めきれないときは、同じ証券と同じ条件を、別の1か所に見せる方法があります。僕は2019年10月に5か所を回り、出てきた提案は全部違いました。
最初に行った窓口で申込の手前まで進んで妻に止められた僕には、その1つの提案が妥当かどうかを測る物がありませんでした。
回り方と、ほかにも行っていると伝えるかどうかの話は、「保険相談のはしごは失礼?同じ証券で5か所回った僕の体験談」に分けました。
- 証券は同じ束を持って行く
- 条件を同じ言葉で伝える
- 提案の紙をもらって帰る
別の窓口で違う会社が出てきても、どちらかがうそをついているとは限りません。扱う会社の数も、絞り方の決まりも、窓口ごとに違うからです。2つの紙を横に置いて、理由を見比べてください。
保険見直し本舗の公式サイトのよくある質問には、1社に偏らないかという不安に対して「取扱保険会社の中から複数の保険会社の商品をご提案しております」と書かれています(2026年10月13日確認)。僕が契約したのもここですが、伝えたいのは店の名前より、同じ条件で並べてもらう頼み方のほうです。
説明を聞いても納得できず、対応そのものが気になるときは、その窓口の本部のお客さま相談の窓口や、生命保険協会の生命保険相談所に聞くことができます。
保険相談で同じ会社ばかりだと感じたら、同じ証券を別の1か所にも見せてみてください。僕は5か所を回って、提案が全部違うことを知りました。
あわせて読みたい関連記事です。
参考記事:保険見直しサービスのおすすめ人気ランキングTOP10
保険相談で同じ会社ばかり勧められるときのよくある質問
- 保険相談で同じ会社ばかり勧められるのは、なぜですか?
-
窓口が先に商品を絞ってから出しているためのことがあります。生命保険協会のコラムによると、絞り方には、客の希望に合わせる形と、代理店の事情で会社を絞る形があります。どちらの形でも、理由の説明が求められています。
- 保険相談で同じ会社ばかり勧める窓口は、中立ではないのですか?
-
同じ会社が続くことだけでは決められません。金融庁の監督指針には、「公平・中立」とだけ表示すると誤解されるおそれがある、という注意書きがあります。すすめる理由を聞いてから、自分で判断してください。
- 保険相談の窓口の親会社が保険会社だと、提案がその会社に偏らないか不安です。
-
偏るかどうかは窓口ごとの話なので、僕には言い切れません。生命保険協会のコラムには、代理店が保険会社を絞る理由の例に資本関係があがっていて、その形でも絞った理由の説明が求められる、とあります。不安なときは、その会社をすすめる理由と、条件をそろえて何社を比べたのかを席で聞いてください。
- 保険相談で同じ会社ばかり勧められたとき、理由を聞くのは失礼ですか?
-
失礼ではないと僕は考えています。生命保険協会のコラムにも、選んですすめる理由が分かると客もすっきりするのではないか、と書かれています。「理由をもう一度教えてください」で十分です。
- 保険の相談窓口で希望と違う保険会社を勧められたとき、希望した会社の見積もりも頼めますか?
-
その窓口が扱う会社の範囲でなら、頼める場合があります。保険見直し本舗の公式サイトには、すすめる商品以外を希望する場合は、取り扱う範囲内で比較できる商品を説明・提案すると書かれています。ほかの窓口は、希望した会社を扱っているかと、勧められた会社をすすめる理由を、席で聞いてください。
- 別の保険相談では違う会社を勧められました。同じ会社ばかりの窓口とどちらが正しいですか?
-
どちらとも言えません。扱う会社の数も絞り方も、窓口ごとに違います。僕が回った5か所も提案は全部違ったので、条件を同じにして、理由を見比べてください。
- 保険相談で同じ会社ばかりでも、そのまま申し込んでいいですか?
-
申し込むかどうかは、僕からは言えません。理由と数字に納得できたかどうかで決めてください。僕は2回目に3社の紙を持ち帰り、3回目の来店で申し込みました。
- 保険相談で同じ会社ばかり勧められた体験は、のろべえにありますか?
-
複数の会社を扱う窓口では、ありません。同じ会社の案が3つ出たのは、2018年に保険会社の後任の人へ相談したときです。相談窓口では、2019年に同じ条件の3社の見積もりを並べてもらいました。
- 同じ会社ばかりか気になるとき、保険相談の窓口が扱う会社の数はどこで分かりますか?
-
それぞれの公式サイトの、取扱保険会社の一覧で確かめられます。生命保険協会のコラムには、同じ乗合の代理店でも取り扱える会社の数は異なる、と書かれています。行く前に見ておくと、席で聞きやすくなります。
- 保険相談で同じ会社ばかり勧める理由に納得できないときは、どこに聞けばいいですか?
-
まず、その窓口の本部のお客さま相談の窓口に聞く方法があります。生命保険協会の生命保険相談所でも相談を受けています。すすめ方の決まりは、金融庁が2026年8月28日に改正を公布していて、2028年3月1日から施行されます(2026年10月13日に金融庁の発表で確認)。
まとめ:同じ会社ばかりのときは、理由と比べた数を聞く
保険相談で同じ会社ばかり勧められても、それだけで偏りだとは決められません。窓口が先に絞った結果のことがあり、絞った理由は説明することになっています。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 同じ会社ばかりの形は2つ
- すすめる理由は聞いていい
- 同じ条件で比べた数を聞く
- 理由と数字が出れば寄ってよい
- 決めきれなければ別の窓口へ
次の回の最初の1分で、理由と、同じ条件で比べた会社の数を聞いてみてください。僕は同じ条件の3社を並べてもらい、月2,400円から3,300円までの差を自分の目で見てから決めました。
証券と提案書を持って、同じ条件で並べてほしいと1回頼んでみてください。話を聞いた結果、何も変えないという答えになってもかまいません。
保険相談で同じ会社ばかり勧められて引っかかったら、理由を聞くところから始めてください。すすめる理由と、同じ条件で比べた数を聞いてから返事をしても、遅くありません。
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