保険の見直しでだまされたのかどうかは、1か所の説明を思い返しても分かりません。手元の書類と、もう1か所の意見の2つで確かめられます。確かめる前に解約するのは、待ってください。
保険を見直したと家族に話したら、「ただで相談に乗る店なんて、何か裏があるに決まってる」と返された。担当の人は感じがよかったのに、そう言われると急に自信がなくなる。そんな夜にこの言葉で検索した、あなたに向けて書きます。
僕は2019年の10月に、夫婦の証券5本を5か所の相談の窓口へ持って行きました。見せた証券は同じなのに、5か所の提案はどれも別の内容です。最初の1か所では、ほかを見ないまま申込の直前まで進んでいます。
保険の見直しでだまされたのかどうかを、僕は1か所の提案だけでは見分けられませんでした。同じ証券を5か所に見せて、やっと比べる物ができました。
のろべえ|「みんなの保険見直し体験談」運営者。40歳・メーカーの総務で働く会社員。川崎市で妻と子ども2人と暮らしています。
- 2009年から保険を10年放置
- 夫婦の保険料は月43,600円
- 2019年に窓口を5か所回った
- 見直し後は月19,800円
- 2級FP技能士(2021年合格)
- 住宅ローンアドバイザー
仕事では社内の団体保険の取りまとめと年末調整を担当。証券を開いて、並べて、比べるところから書いています。プロフィールの続きを読む
保険の見直しで騙されたと感じたら、疑いを3つに分ける
「だまされた」というもやもやは、中身の違う3つの疑いが混ざったものです。どれに当たるかで、次にやることが変わります。
| 疑い | 中身 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 説明と 書類が違う | 聞いた話が 紙にない | 書類と 照らす |
| 自分に 合ってない | 払えない 目的と違う | 目的を 書き出す |
| 比べて いない | 1か所しか 見ていない | もう1か所 で聞く |
1つ目は、相手に申し出る話になることがあります。2つ目と3つ目は、だれかのうそがなくても起きます。僕が2019年に感じたもやもやは、3つ目でした。
無料で相談できること自体は、だまされたしるしではありません。契約が決まると保険会社から窓口へ手数料が払われる仕組みで、くわしくは保険相談が無料なのはなぜかの記事に書きました。
家族に「カモにされたんじゃないの」と言われて、ここに来た人もいると思います。言った人が、契約の中身までは見ていないこともあります。答えは、言われた言葉の中ではなく、手元の紙の中にあります。
この記事で書くのは、生命保険と医療保険を見直したあとの確かめ方です。乗り換えの返事をまだしていない人は、保険相談で乗り換えを勧められたときの確かめ方を先に読んでください。
保険の見直しでだまされたと感じたら、説明と書類の違いなのか、比べていないだけなのかを先に分けてください。僕の場合は、比べていないだけでした。
5か所に相談した僕の体験談|だまされたのか、比べていなかったのか
1か所だけの提案は、良いとも悪いとも僕には言えませんでした。5か所を回ってやっと、自分に欠けていたのは疑う力ではなく、比べる物だったと分かりました。
1か所目だけでは疑えなかった
1か所目の提案を、僕は疑うどころか、その場で申込の直前までいきました。2019年10月5日の土曜日、33歳のときです。1回目で提案が出て、説明はていねいで、提案はよく見えました。
止めたのは妻です。帰り道の僕は、だまされかけたとは少しも思っていません。むしろ、止めた妻のほうに腹を立てていました。
あのとき申し込んでいたら、あとでだれかに「カモにされた」と言われても、言い返す材料がなかったはずです。提案が悪かったのではなく、僕が1つしか見ていなかったのです。
目的とずれた相談もあった
4か所目の相談は、資産運用の話が中心になり、僕の目的とずれました。10月20日の日曜日、自宅に来てもらう形の相談です。僕の目的は、保険の重なりを直すことでした。
保険の相談のつもりが別の話になると、身がまえるのは自然なことです。僕の場合は、相談の目的を最初に伝えていませんでした。その日の席のことは、FP相談が保険の話じゃなかったときの体験談に分けて書いています。
- 目的を1行で先に言う
- 話がずれたら目的に戻す
- その日は決めずに帰る
目的とずれた話が出たこと自体は、うそでも不正でもありません。ただ、自分の目的に合わない提案を、その場の流れで受けると、あとで「だまされた」という気持ちに変わりやすくなります。
5か所で提案は5通りだった
同じ夫婦の証券5本を見せたのに、5か所の提案は全部違いました。10月の23日間で回ったのは、お店が3か所、自宅が1か所、喫茶店が1か所です。
| 10月5日 | お店。1回目で提案が出た |
|---|---|
| 10月14日 | お店。提案は次回に |
| 10月16日 | お店。聞き取りで約70分 |
| 10月20日 | 自宅。資産運用の話が中心 |
| 10月27日 | 喫茶店。担当は1人 |
だれか1人が正しくて、残りがうそをついている、という話ではありません。同じ証券でも、見る人によって答えが変わるのだと知りました。
回り終えてから、1か所目のことを思い返しました。あれはだまされかけたのではなく、比べる物を持っていなかっただけです。契約した3か所目では、最初に「これは残しましょう」と、25歳で入った月3,900円の医療保険を指されています。
同じ証券を5か所に見せた僕は、5通りの提案を受け取りました。1か所目の提案がだましだったのではなく、僕が1つしか見ていなかったのです。
保険の見直しで騙されたのかを書類で確かめる手順
確かめる順番は、書類を出す、違いを書く、もう1か所で見せる、申し出る、の4つです。解約は、この4つが済むまで待ってください。
契約のときの書類を出す
最初に、契約のときに受け取った紙を全部出します。生命保険協会の苦情事例のQ&Aは、確認する物として、ご契約のしおり・約款、設計書、パンフレットなどを挙げています。
- 保険証券
- 設計書(提案書)
- 契約概要・注意喚起情報
- 意向確認書面の控え
意向確認書面は、申し込む人のニーズと保険の内容が合っているかを、申込みの前に確かめるための書面です(生命保険文化センター)。自分が何を望んだことになっているかが、そこに残っています。
思っていた内容との違いを書く
次に、自分が思っていた内容と、書類に書いてある内容を、2列に並べて書きます。違いが1つもなければ、疑いは「説明と書類が違う」ではありません。
違いがあったら、生命保険協会のQ&Aにある問いを、そのまま自分に聞いてください。いつ、どのような説明を受けたか。どのような資料で説明を受けたか、です。
| 思っていた内容 | 書類の内容 |
|---|---|
| 保険料は ずっと同じ | ◯年ごとに 更新 |
| (自分の 記憶を書く) | (書類の 言葉を写す) |
上の表は書き方の例です。左に自分の記憶、右に書類の言葉を写します。記憶だけで腹を立てているあいだは、相手に伝える言葉も決まりません。
同じ証券をもう1か所で見せる
書類に違いがなかった人は、ここが本番です。新しい証券を持って、別の窓口で「この保険で、残したほうがいい物はどれですか」と聞きます。聞くことは、この1つで足ります。
前の店に悪い、と思う必要はありません。証券は自分の物で、どこで見せるかは自分で決められます。前の店の名前を言う必要もありません。
2か所目の答えが前の提案と近ければ、疑いはそこで軽くなります。違っていたら、違う理由を聞いてください。窓口の回り方は、保険相談のはしごの記事に日付つきで書きました。
違いがあれば本社の窓口へ
説明と書類が違っていた人は、担当の人ではなく、保険会社の本社の相談窓口に申し出ます。生命保険協会のQ&Aも、違う点と説明の経過を整理したうえで、本社の相談窓口に申し出るよう案内しています。
取り消しなどを求められるかどうかは、契約ごとの事情で決まります。同じQ&Aには、理解が違った理由について保険会社の側に非がある必要がある、と書かれています。できるともできないとも、僕には言えません。
- 違う点を書いた紙
- 説明を受けた日
- 説明に使われた資料
説明と違ったとき・申し込んで日が浅いときの相談先
申し込んでから日が浅い人は、クーリング・オフの期限を先に見てください。それ以外の人は、保険会社の本社、生命保険相談所、消費生活センターの順に相談できます。
| 申し込んで日が浅い | クーリング・オフを保険会社に確かめる |
|---|---|
| 説明と書類が違う | 保険会社の本社の相談窓口 |
| 話し合いで解決しない | 生命保険相談所 03-3286-2648 |
| どこに聞くか迷う | 消費者ホットライン188 |
クーリング・オフができるのは、一般的には、その書面を受け取った日と申込日をくらべておそいほうの日から、当日もかぞえて8日以内です(生命保険文化センター)。医師の診査を受けた契約などは対象になりません。日数は保険会社によって違います。
生命保険相談所は、代理店や営業職員に関する相談も受けています。受付は9時から17時で、土日祝と12月29日〜1月3日は休みです(2026年10月8日確認)。
消費者ホットラインの188は、近くの消費生活センターにつながる全国共通の番号です。保険にかぎらず、契約のことで困ったときに使えます。
腹が立った勢いで、新しい保険を先にやめるのは待ってください。やめた保険を元に戻すことはできない、と生命保険文化センターの手引にあります。入り直すときは年齢が上がり、健康状態によっては入れないこともあります。
保険の見直しで説明と書類が違っていたら、担当の人ではなく保険会社の本社の窓口に伝えます。申し込んで日が浅いなら、クーリング・オフの期限を先に確かめてください。
これから見直しに行く人が、騙されたと思わないために席で言う3つ
席で言うのは、今日は決めません、残す保険はどれですか、この保険をすすめる理由は何ですか、の3つです。まだ相談に行っていない人と、もう1か所に行く人の両方に向けて書きます。
今日は決めませんと先に言う
席について最初に、「今日は決めずに持ち帰ります」と伝えてみてください。1か所目の僕は、この一言を持たないまま席に着いて、申込の直前までいきました。
保険見直し本舗の公式サイトのFAQを2026年10月7日に見ると、その場で契約する必要はない、という答えが載っていました。2019年の僕も、この窓口では担当の人に「持ち帰って奥さんと決めてください」と言われて帰りました。
残す保険はどれかを聞く
やめる保険より先に、残す保険を聞きます。全部を入れかえる提案なら、残す物が1本もない理由を聞いてください。
保険見直し本舗の公式のFAQには、相談の結果、加入も見直しも必要でない場合は新しい保険をすすめない、という答えもあります(2026年10月7日確認)。「何も変えなくていい」も、見直しの答えの1つです。
- 残す保険はどれですか
- やめると何を失いますか
- 同じ条件で他社はいくら
すすめる理由を聞く
「なぜこの保険なのですか」と聞くのは、失礼なことではありません。金融庁の監督指針は、複数の保険会社を扱う窓口について、商品をすすめるときにその理由を分かりやすく説明しているかを、見る点に挙げています。
同じ指針には、手数料の高い商品に誘導するためのしぼり込みをしないよう留意する、という注意も書かれています。決まりがあるから安心、とは僕は言いません。決まりがあるから、理由を聞いてよいのです。
当日の流れが想像できない人は、保険相談に行ってみた体験談に、5か所の1回目に起きたことを並べました。証券を見せるだけの日があってもかまいません。
これから保険の見直しに行く人は、席で最初に「今日は決めません」と言ってみてください。1か所目の僕が、言えないまま申込の直前までいった一言です。
あわせて読みたい関連記事です。
参考記事:保険見直しサービスのおすすめ人気ランキングTOP10
保険の見直しで騙されたと感じた人のよくある質問
- 保険の見直しで騙されることは、本当にあるのですか?
-
説明と書類が違っていた、という苦情の事例は、生命保険協会のQ&Aにも載っています。ただ、「だまされた」と感じる理由には、ほかと比べていなかっただけの場合もあります。まず書類を出して、どちらなのかを分けてください。
- 保険の見直しで騙されたと思ったら、すぐ解約したほうがいいですか?
-
すぐの解約は、おすすめしません。解約した保険は元に戻せず、入り直すときは年齢や健康状態で条件が変わるからです。書類の確認と、もう1か所での確認を先にしてください。
- 保険の見直しサービスが無料なのは、騙すためですか?
-
無料であること自体は、だますしるしではありません。契約が決まると、保険会社から窓口へ手数料が払われる仕組みで、相談する人が払うお金はありません。提案が自分に合っているかは、仕組みとは別に、提案を並べて確かめてください。
- 保険の見直しで入った保険が、説明と違いました。どこに言えばいいですか?
-
保険会社の本社の相談窓口です。違う点と、いつ・どの資料で説明を受けたかを紙に書いてから連絡します。本社の窓口とのやり取りで片がつかなければ、次は生命保険協会の生命保険相談所です。
- 保険の見直しをした店に、ほかの店で見てもらったと知られますか?
-
窓口どうしで相談の記録がどう扱われるかは、僕には分かりません。証券は自分の物なので、どこで見せるか、前の店のことを話すかは、自分で決めてかまいません。気になる人は、相談した会社の個人情報の窓口に確かめてください。
- 家族に「保険の見直しで騙された」と言われました。どう答えればいいですか?
-
言い返す前に、契約の書類を一緒に見てもらうのが早いと思います。僕は見直しの前、自分の保険を妻に説明できませんでした。説明できない状態で言い合っても、答えは出ません。
- 保険の見直しで騙されないために、何か所に相談すればいいですか?
-
僕は5か所を回りましたが、5か所が正解だとは思いません。2か所でも、提案が同じか違うかは分かります。同じ証券を持って行くことだけは、そろえてください。
- 50代で保険の見直しをして、騙されたのではと不安です。若い人と違いはありますか?
-
年齢が上がるほど、入り直すときの保険料は高くなりやすく、健康状態で入れないこともあります。なので、あわてて解約しないことが、若い人よりも大事になります。先に書類ともう1か所で確かめてください。
- 保険の見直しで、保険ではなく投資の話をされました。騙されていますか?
-
それだけでは、だまされているとは言えません。僕も4か所目では、資産運用の話が中心になりました。相談の目的を1行で伝えて、話を戻してもらってください。
- 保険の見直しで騙されたと思ったまま、何年もたっています。いまからでも確かめられますか?
-
確かめられます。証券と、手元に残っている書類を出して、もう1か所で見てもらってください。僕は22歳で入った保険の証券を10年開かず、33歳で初めて相談の窓口に持って行きました。
まとめ:保険の見直しで騙されたかは、書類ともう1か所で確かめる
保険の見直しでだまされたのかどうかは、1か所の説明を思い返しても分かりません。疑いを3つに分けて、書類と、もう1か所の意見で確かめます。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 疑いは3つに分ける
- 書類を出して違いを書く
- 同じ証券をもう1か所へ
- 説明と違えば本社の窓口
- 解約は確かめたあと
もやもやしたまま払う保険料は、同じ金額でも重く感じます。僕は10年、何に払っているのかを知らないまま、保険料を払い続けていました。
新しい証券を持って、前とは別の窓口で「残したほうがいい保険はどれですか」とだけ聞いてみてください。答えが前の提案と同じなら、それで安心できます。何も変えずに帰ってきてかまいません。
保険の見直しでだまされたと感じた夜は、解約の電話より先に、契約の書類を机に出してください。僕は5か所で証券を見せて、やっと自分の保険を妻に説明できました。
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